身を引くはずが、敏腕ドクターはママと双子に溢れる愛を注ぎ込む
「ありがと」
喉に流し込むと渇いた体にすっと染み渡っていくようで気持ちいい。あっという間に一杯飲み干していた。
「みんな、この後もうちょっと飲むらしいんだ。佐田も連れて行きたいって言ってるけど、お前はもうこれで帰ったほうがいい」
「え、でも、帰っちゃって大丈夫なの」
「大丈夫だよ。なんなら俺送ってくけど」
そんな気を使われて、慌てて首を横に振る。
「それは大丈夫。遼くんはみんなと行って。私は、ちょっとお手洗いに行ってから帰るよ」
「でも、歩けるのかよ」
「うん。ほら、立てるから。ね?」
ベンチを立ち上がって証明してみせる。
そのまま覚束ない足取りでレストルームへと向かっていく。
遼くんは「おい、本当に大丈夫なのか」と心配してくれていたけれど、手をひらひら振って大丈夫だと合図した。