身を引くはずが、敏腕ドクターはママと双子に溢れる愛を注ぎ込む


「正直、もうこうやって話すこともないと思ってました。なので、声掛けてもらったとき、幻覚かなって」


 音を立て始めていた鼓動がどんどん大きく激しい音を立てていく。

 逸らされない水瀬先生の目を見ていると、きゅんと心臓が震え上がった。


「って……こんな迷惑かけておいて言うことじゃないですね。ごめんなさ──」


 何の予告もなく強引な力に引き寄せられていた。そのせいで言葉の語尾が途切れる。

 気づけば水瀬先生の胸の中に閉じ込められていて、力強い腕に抱きしめられていた。

 目を見開いて驚いている間にも、水瀬先生が私の顔を覗き込む。

 そのまま一気に綺麗な顔が近づき、噛みつくように唇が塞がれた。


「なんで、そんな堪らなく可愛いことを言うんだ」

「っ……?」

「このまま黙って帰ろうと思ったのに、抑えられなくなる」


 一際大きく鼓動が音を立て、ドッドッと胸を叩く。

 水瀬先生の唇が角度を変えてまた触れてきて、自然と目を瞑り受け入れていた。


「っ、んっ……」


 触れ合うだけだった口づけは、やがて唇を割って舌が入ってくる。生温かく柔らかい舌の感触にぞくりと体が震えた。

 キス自体もまだ二度目の経験なのに、こんな濃密な口づけ平然とは受け入れられない。

 息継ぎも上手くできない私は、くらくら目眩のようなものを感じ、水瀬先生にすがりつく。

 水瀬先生は唇を離し、狭い玄関で私を横抱きに抱き上げた。

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