身を引くはずが、敏腕ドクターはママと双子に溢れる愛を注ぎ込む
「こんばんは」
水瀬先生は落ち着いた様子で挨拶を口にする。
「先日はありがとうございました。とても楽しかったです。また、ぜひお食事にでも行きたいです」
女性は可愛らしい笑顔を見せながら声を弾ませる。
すると、やっと気がついたようにとなりにいる私へ視線を移した。
「そちらの方は……?」
女性は私のことを水瀬先生に訊く。
「病院の……スタッフさん?」
「ええ、そんなところです」
抑揚のない声で答える水瀬先生に、ズキっと胸が痛む。
「では、失礼」
女性に挨拶し、水瀬先生は私に「行こう」と私に声をかける。
にこにこしながら水瀬先生を見送る女性にぺこりと頭を下げ、レストランに入っていく水瀬先生のあとを追いかけた。