身を引くはずが、敏腕ドクターはママと双子に溢れる愛を注ぎ込む


 そう考えると、仕事関係の知り合いと水瀬先生が言うのも間違いではない。

 私のことだって、彼女に訊かれてスタッフと紹介したくらいだ。

 水瀬先生にとって、さっきのあの場はハラハラする修羅場だったのはないだろうか。

 ふと、冷静な自分が舞い降りてきて、そんなことを考える。

 私とレストランに入ろうとしたところに、バッタリ婚約者に会ってしまった。

 彼女に誤解されないように、私のことは病院のスタッフだと話し、その後は私にも追及されて婚約者を仕事関係の知人だと話した。

 あとで私と別れたら、彼女に弁解の連絡でも入れるのだろうか。

 そうだとするなら、今のこの席はなんなのだろう。

 今日の昼間、ナースステーションで遼くんからの話を聞くまでは、今日の水瀬先生との約束はデートだとばかり思っていた。

 身分差はありながらも思いが通じ合って、ふたりの関係が始まったのだとばかり思っていた。

 でも、やっぱりそんなことはなかった。

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