身を引くはずが、敏腕ドクターはママと双子に溢れる愛を注ぎ込む


 それでも、勝手に居心地の悪さを感じてしまった私は、途中お手洗いに立たせてもらった。

 水瀬先生は「大丈夫か?」と体調を心配してくれていて、また心の中で謝罪しながら席を立った。

 静かなレストルームに入るとホッと心が落ち着く。

 まだ自分の気持ちの整理が全くできていない。水瀬先生から離れてひとりになって、やっとこれからどうしたらいいのか考え始めることができる。


「ひどい顔……」


 鏡に映した自分の顔が暗くどんよりしていて、この顔で食事をしていたのかと思うと今更後悔に襲われる。

 体調が思わしくないにしろ、こんな顔で目の前で食事をされるなんて水瀬先生もいい気分にはならないだろう。

 そんなことを思いながら鏡の中の自分を見つめているときだった。

 レストルームの扉が開き、人が入ってくる。

 私がいるパウダールームに足早に入ってきたのは、なんとさっきレストラン前で会った水瀬先生に話しかけてきたあの女性。

 女性は先客の私を見て「あっ」と声を漏らした。

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