こいろり!



何も知らねーお嬢様が無邪気に笑って首を傾げるから、俺の胸が痒い通りこして苦しいんだけど。

なんで、こんなに俺に笑ってくれるのか。
楽しい、嬉しい、幸せだわってストレートに言葉にしてくれるのか。


たこ焼き焼いて食った筈なのに、こいつ甘くていい匂いするし。こんな水気を増した瞳で真っ直ぐ見つめられたら、おさえ効かねーんだけど。




「あー……、これ以上するつもりなかったんだけど。今からすること、誰にも言うんじゃねーぞ?」

「…………え?」

「華花、ちょっと口開けて」


小さな口が"あーん"と開かれるから、危機感なんかない、何も知らない女の子の口をパクリと塞ぐ。



「んっ、んんん?」


体を後退りしようとする華花の背中にしっかりと手を回した。
イケないとは分かってるけど、言い出したのは俺じゃねぇ、こいつの方だ。

開いた口の間から見えた、可愛らしい舌をとらえて絡ませていく。
華花のか俺のか分かんねーけど、心臓の音がやけにうるさくて、頭がおかしくなりそうな位に甘い息が漏れるキスが続けられていく。


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