こいろり!



「結果的に、好きじゃなくてもってことだよな?」

「まぁ、そういう事だね。でも、そうじゃなきゃいつも何《なに》で……」
「つーか、お前等ここ教室だかんな?何てことを語りだしてんだよ!」

「あぁ?罰ゲームだろ?俺の悩み事ってやつ。お前が言い出したんじゃん」

「あはは。だってさー、泰良が真面目に聞いてくるからさ」


赤司が慌てているから周囲を見渡すと、クラスの女子が軽蔑するような目で見ていた。



「おい、見てんじゃねーよ!!」


舌打ちをして怒鳴り声をあげれば、クラスの女子達がパッの顔を反らす。



ちっ、ムカツク反応しやがって。
そもそも、クラスの女子なんか興味ねーし。

井ノ上は学年で1番可愛いって騒がれてるけど、俺はそんなタイプじゃないし。
山本は胸デカいよな。よく机に乗っけてるし。走ると揺れるし。
相沢はスカート短過ぎで、ブラが透けている。テンションは上がるけど、性的にそこまで興奮する程のことじゃねーな。



「ほら、泰良はさ。今まで璃香子しか見えてなかったから丁度いいんじゃん?俺、応援するけどなー」


と利瑛が言って、俺のズボンのポケットに手を突っ込んできた。



「んぁ……!?なんだよ?」

「泰良くんの成長のプレゼントー」


利瑛がにっこりと微笑んだところで、次の授業の教師が教室に入ってきた。



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