こいろり!







「あ、泰良。おかえりなさい!」

「…………あぁ??」


そうだ、すっかり忘れていたけど。返事返さないと来ちゃうんだった、コイツ……。

学校が終わって家に帰ると、居間に上がり込んでいた。



「私、コタツって初めてなのー。ふふ、とてもあったかいのね!」

「…………」

「あ、もう!どうして返事くれないの?返信待ってたのよ?待ちくたびれちゃったから、訪ねてきたの!」


ちゃっかりコタツに入ってくつろいでるし。
はぁ、と両手を顔に当てて深くため息をついたところで、後ろから母ちゃんの声が耳に入る。



「良かったわー、今日は真っ直ぐ帰ってきて。それにしても、母さんびっくりしちゃったわ。泰良にこんな可愛らしい小さなお友達がいたなんてね。田渕さんとこのお孫さんなんでしょう?なんで、言ってくれなかったのよぉ?仲良くなっちゃってもー」


華花を家に上げたのは母ちゃんらしく。
きっと、店に来た華花をこんな感じで家にホイホイ上げたのだろう。

マジかよ、頭が痛くなってきた。


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