こいろり!
「泰良のお母さまってとっても優しいのね!お話も沢山してくれて面白いし」
「…………」
「そんなことないわよー」
「ねぇ、泰良。まだ昨日のこと怒っているの?」
「……別に」
フイっと顔を背けて階段を上がろうとすると
、後ろから母ちゃんに頭をパシンと小突かれる。
「華ちゃん、ごめんねぇ。この子、凄く愛想が悪くって」
「いってぇな!何すんだよ?」
「華ちゃんあんたに用があるって遊びに来てくれたんだよ?何放って部屋行こうとしてんのよ!!あんた、何かしたのかい?華ちゃんごめんねー、うちの馬鹿息子が悪いんだろう?」
「あ、いえ。私が昨日 泰良のはじめ…」
「待て待て待て!!!!」
慌てて華花の台詞を遮って、その小さな口を手で塞ぐ。
「怪しいわ!!あんたっ、華ちゃんに何したの??まさか、変な事したんじゃないでしょうねぇ??」
「するわけねーだろ?クソババア!早く店に戻れよ!つーか、華花も誤解されるようなこと言うんじゃねーぞ!?」
何喋るか分かんねーコイツをこんなとこに置いとけねぇ。
華花の腕を引いて2階へと足を向ければ、
「華ちゃん!!おばさん店にいるからね!!泰良にいじめられたらすぐ呼ぶのよー!」
後ろから母ちゃんの叫び声が聞こえてきた。