幸福を呼ぶ猫
きっと僕は誰かに画家になることを応援して貰いたかったのだと思う。
だから今まで家族や教授、彼女にまで画家になることを反対されても悩み続けていたのだと漸く理解した。
「クロ、僕画家になれるかな…?」
「にゃぁ」
即答するクロに嬉しくなって思わずクスクスと笑みが溢れる。
クロに背中を押されて僕は漸く画家になる決心をした。
彼女が聞いたら呆れるかもしれないけど、明日もう一度話をしてみようと思った。
そうだ。今度クロを描こう。彼女はいつも僕の絵を褒めてくれるから。そうしたらクロのことも気に入ってくれるかもしれない。
「ありがとう、クロ。とびっきり綺麗に描いてあげるからね」
僕がいきなりそう言うとクロは何のことだと首を傾げた。