あやかしと玉響なる風 重なる正義と刃
「真冬……くんって言った方がいいのかな?どうして彼らが武器を当たり前のように持っているのか、それはちゃんと説明するよ。だから安心してほしい。アレス騎士団の人間が戦うのは妖だけだよ」

近くにいたテッドに話かけられ、真冬が高身長の彼を見上げる。

「武器を当たり前のように持てる環境にいるってことなのか?戦場にいる妖と戦っているとか?」

風音がそうテッドに考えたことを言うと、テッドはただ笑っているだけだ。それに少しムッとしつつ、風音たちは歩く。

「ここじゃよ」

ムカエルが足を止めた場所は、恐らく住宅街であった場所だ。立ち並んでいたであろう家々は全て破壊され、まるで廃墟のようになっている。

コツコツコツ、ムカエルが自分の立っている地面を足で叩く。すると何かが動き出す音が聞こえ、ゆっくりと地面から地下へと続く階段が姿を現す。

「地上だといつ奴らに攻撃されるかわからない。中で話そう」

ムカエルがそう言い、階段を降りていく。三人の助手、そしてアレス騎士団たちも階段を降りていった。
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