君の息にピリオド.
その言葉に涙を流す遥と私。

湊や食満、実は良かったと抱き合った。

全員顔がぐちゃぐちゃになるまで泣き腫らし
今までの出来事が嘘だとも思えてくる。

しかし頭の痛みだけが、
私を現実に引き止めていた。

窓の外から見守る艶子を怪我をさせないようそっと中に入れて、
私たちはみんなで抱き合った。

冷え切った手は友人たちの体温で
少しずつ温まっていく。

艶子に何があったか、
共犯者の意図は何だったのかということも
すっかり忘れて私たちはただただ涙を流す。

これで終わったのだ。

痛いくらいに狂った現実も、
息苦しいほど夢見た空想も全て、全て。



世界が変わった半日は、
これでようやく幕を下ろした。
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