追放された私は、悲劇の聖女に転生したらしいです
 最初に到着した畑の場所、そこには居住区に抜ける道と、ソラスに抜ける秘密の道があったのだ。
 ファルナシオンから登って来る道もあるようだけど、そちらは岩でふさいだ、とディオが言っていた。
 だから、私のようにドラゴンで空を飛んで来るか、剛力で岩を退けるかじゃないとグリーランドには入れないらしいのだ。
 緩やかな下りの傾斜を、足を滑らせないように慎重に進む。
 すると、薄暗い森に出た。森は迷路のように入り組んでいたけど、実は木に目印があって、それを辿れば迷うことはないらしい。目印は当然、ゼクスやグリーランドの人たちにしかわからない。そうやって、山脈に至る道を隠しているのだそうだ。

「ほら、見えてきました。あれが、ソラスの首都です」

 ゼクスの指さす先には、大きな町が見えた。
 取り囲む長い土壁の中に、景観を意識したのだろう低い屋根の民家が並ぶ。その中で、一際目を引いたのが、天に向かって延びる高い建物。白い巨大な煙突のような建物は、ソラスの中心にどんと聳え立っていた。

「あれ、なんですか」

 尋ねると、ゼクスが返答する。

「星見の塔ですよ」
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