追放された私は、悲劇の聖女に転生したらしいです
 フェイロンはディオから視線をそらし、突然私を見た。

「そこのチビ。お前はなんだ?」

「えっ? あ、私はララと申しまして、グリーランドでお世話になっている旅商人……です」

「旅商人?」

 フェイロンは目を丸くした。
 旅商人と言ってはまずかっただろうか? もし、旅商人以外で言うと、居候しか思いつかないのだけど、それは、ちょっと悲しすぎる。困っている私を見て、ディオが助け舟を出してくれた。

「ララはつい先日グリーランドにやって来て、いろいろと生活を便利にする案を出してくれている。とても優秀で信頼のおける俺たちの仲間だ」

「へえ、他人を全く信用しないお前が、ふらっとやって来た旅商人なんかを信じるのか? ふむ、さぞや才気あふれる者なのだろう。そうだ、試しにひとつ、わたしの悩みを解決してくれないか」

 少し意地悪そうな顔をしたフェイロンを見て、ディオとゼクスが顔を見合わせた。ふたりはやや食傷気味な様子である。
 そういえば前夜、宮様の話の時に、無理難題を吹っかけてくるとか言ってなかったっけ? つまり、今この状況がそうなのではないのか。私、標的にされているのかも。 
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