追放された私は、悲劇の聖女に転生したらしいです
「あの、宮様の悩みが私などに解決出来るかどうか……」

「なら、暦はあげない」

「そっ、それは困ります……よね?」

 と、即座にディオに問う。
 はっきり言って、私は別に困らない。でもディオが、引きこもっていたグリーランドから出てまで欲しがるものだ。なにかとても重要な使い道があるに違いない。彼が是が非でも欲しいというなら、なんとかして手に入れたい。

「うん、とても困る」

「そうですか。わかりました! では宮様、とりあえず話をお聞きかせ下さい。なにを悩んでいるのですか?」

 すると、フェイロンは言った。

「当ててごらん。各国を旅する商人の機知ならば、わたしがなにに困っているかは、すぐにわかるだろう?」

「は……はあ?」

 子供のように無理難題を仕掛けたフェイロンは、私の困惑の表情を見て楽しそうに笑った。
 この人は、人の困る顔が大好物な、真正の厄介者なのでは? 
 そう気付き、引き受けたことを後悔した。
 しかし、フェイロンの勝ち誇ったような顔を見ているとだんだん腹が立って来て、なんとか鼻を明かしてやりたい、という気持ちが沸いて来た。
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