追放された私は、悲劇の聖女に転生したらしいです
 こうなったら、この厄介美女の悩みを解決し、勝ち誇った顔を青くさせてやる。
 そう決意すると、フル回転で頭を働かせた。
 まずは、周りをじっくり観察することから始めよう。だいたい、答えは近場に転がっているものだ。
 この部屋には机や椅子、望遠鏡という仕事道具の他に、たくさんの書物が積まれている。書物は全てがぶあつく重そうだ。何冊も抱えて歩くと、腰が痛くなるかもしれない。それに、フェイロンは屈んで仕事をしていた。あの態勢でずっと仕事をすると、かなり全身がしんどくなるはず。
 そして、さっきフェイロンが呟いた言葉を総合すると?

「わからない? そうかそうだよな? まあ、こんな小娘に……」

「肩こり、腰痛というところでしょうか?」

「え……?」

 勝ち誇ったフェイロンの笑みが固まった。
 当たり、という手ごたえがあった。私が言った瞬間、フェイロンが思わず腰に手を当てたからだ。

「違いましたか?」

「……ち、違うね」

「あら、それは残念です。私なら、そのお悩み、まるっと解決出来ると思うのですが。必要ないのですね」

 素っ気なく言うと、フェイロンは慌てて前言を撤回した。
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