追放された私は、悲劇の聖女に転生したらしいです
「魔法っていうのは、人によって使えるものが違うらしいな。まあとりあえず、お前の出した、これの説明をしてくれ。わたしには拷問椅子にしか見えないのだが」

「拷問椅子……ではありません。これはマッサージチェアといいまして、座るだけで全身をもみほぐしてくれるという優れものです」

「マッサージチェア? 拷問椅子ではないのか?」

フェイロンは私を薄目で見た。拷問椅子という線を完全には捨て切ってない様子だ。

「とにかく、座って見ればわかります。さあどうぞ?」

「い、いや、うん」

 疑心暗鬼の視線を向けながら、フェイロンは観念したように腰掛けた。
 よし、スイッチオン。
 私が勢いよくボタンを押すと、背側のもみ玉が動き出し、フェイロンがおかしな声を出した。
「ひゃっ……ちょ、ちょ、ちょっと、んなっ……」

 その変な声に、ディオとゼクスも引き寄せられたようにやって来た。

「楽しそうだな、フェイロン」

「ん……なんだか、変な、感じ、だが……お? そこそこ! そこだ!」

 もみ玉がいいところに当たったらしいフェイロンは、至福の表情である。先ほどまでのおっかなびっくりな様子は全くない。
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