追放された私は、悲劇の聖女に転生したらしいです
「どうですか? 今は一番弱い設定なのですが、もう少し強くしても大丈夫そうですか?」

「ああ、大丈夫だが……その前に脱がせてくれ! 暑い」

 そう言うと、フェイロンは勢いよく立ち上がった。
 え? 脱ぐ? 今ここで? 私はともかく、ディオやゼクスもいるのに、ここで脱ぐのはまずいんじゃ……。
 止めようとするも、フェイロンは既に鮮やかな菜の花色の上着を脱いでしまっていた。

「み、宮様! 駄目ですよ! 男性もいるんですからこんな……ん?」

 急いで脱いだ上着を拾って、隠そうとしたその時。つい胸に触ってしまい、ある違和感に襲われた。
胸が、薄い……というか、ないのだ。もしかして、フェイロンって。

「なんだよ。男なのだから別にいいだろう?」

「男性だったのですか? 私てっきり女性だと思ってしまって」

 思い込みって怖い。確かに喋り方は男性だった。でも、紛らわしい格好をしているフェイロンにも原因はあると思う! 着物の形も、私やアルメイダと同じ女性物だったし、髪も長くて顔も整っている。
 これだけ揃えば、誰だって間違えるのではないか!と、私は声を大にして言いたい!
< 152 / 275 >

この作品をシェア

pagetop