追放された私は、悲劇の聖女に転生したらしいです
「ララ、気にするな。これはフェイロンの趣味だ。みんな最初は間違えるんだよ」

 呆れたようにディオが言った。

「趣味ってわけじゃない! 女物の服の方が暖かいのだ。塔の上で夜通し空を見るのだぞ? 薄着だと凍死する」

「へえ、そうだったのか、知らなかったよ」

「……だろうな。お前はわたしに全く興味がないからな」

 フェイロンはディオを軽く睨み、身軽になって再度マッサージチェアに座った。
 そして、私の手にあったリモコンを奪い取ると、勝手に「強」にして使い始めた。

「ああああああああー……極楽ぅ……」

 歓喜の大絶叫をしたあと、フェイロンはストンと瞼を閉じた。
 声をかけても、ディオが悪口を言っても全く反応がない。ゼクスは慌てふためいたけど、私は心配ないと言っておいた。なぜならば、これは家電マッサージチェアコーナーでよく見る風景だからだ。あまりの気持ちよさに、爆睡してしまうという人は多い。フェイロンもご多分に漏れず、寝てしまったのだろう。
「ディオ、宮様が難題を吹っかけてくるのを知っていて、私を連れて来たんですね?」
「うん、ごめん。ララならなんとか出来ると思ったんだ。怒ってる?」
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