追放された私は、悲劇の聖女に転生したらしいです
 前世を思い出す前の私は、ちゃんと創造をしていたけれど、思い出してからは模倣の創造。
 言ってしまえば、神とは程遠い、ペテン師である。

「これを知っていた、ですって! それがまさしく神の証拠じゃないかしら。あなたは模倣だなんて謙遜するけれど、寸分違わず同じものを出すのは至難の業よ。しかも丁寧な説明付きで」

「ま、まあ、その辺は趣味なので……」

「奥ゆかしいわね。もっと威張って誇ってもいいのに。でもそういうところが、ララさんらしいのかしらね」

 ヘンルーダは目を細めた。
 ああ、やっぱりヘンルーダに言われると全てを許されたような気持ちになる。
 私って、いわゆる「マザコン」をこじらせているのかも。しんみりそんなことを考えていると、突然グレイスが地雷を踏んだ。

「でも本当にすごいですよ! この板なら、さすがのヘンルーダ様も、料理に失敗しないと思いますし」

「……なんですって?」

 口は災いの元。雉も鳴かずば撃たれまい。古今東西、戒めの言葉が、私の頭を駆け巡る。
 ギロリとグレイスを睨むヘンルーダ。蛇に睨まれた蛙のようにブルッと震えたグレイス。
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