追放された私は、悲劇の聖女に転生したらしいです
 グリーランドでなら、景色のよい山道が造れそうだ。美しい風景を眺めながらのサイクリングなんて、考えただけでも心が躍る。これで温泉でも湧こうものなら、もう一大リゾートパークのようだ。

「ララさま――!」

 前方から、こちらに向かって白い物が飛行してきた。ムーンである。
 ムーンは先行して空から温泉が湧きそうな場所を探し、スピネは地上から探していた。そのムーンが帰って来たということは、温泉ポイントを発見したのかもしれない。

「ムーン、発見したの?」

 彼は、私の眼前で大きく羽ばたくと、肩に止まった。

「はい。地下に強いエネルギーを感じるところがありました。スピネもそこで待っています。ご案内しましょう」

「うん、お願い」

 ムーンの案内に従って、私とディオは森の更に奥へと進む。
 緑の匂いが濃くなり、澄んだ空気が辺りを包むと、やがてムーンが声を上げた。

「その向こうです」

 案内された場所には、二十平方メートルほどの更地があり、その上をスピネがウロウロと歩き回っている。
 周りは草木が生い茂っているのに、なぜかここだけ茶色の地面が剥き出しだった。

「ここなの?」
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