追放された私は、悲劇の聖女に転生したらしいです
 突然の襲撃に混乱していたグリーランドは、今は多少落ち着いて、目下ログハウスにて話し合いの最中である。
 騎士団六名とウーノたち。それに私とヘンルーダとディオを加えるとログハウスはもうぎゅうぎゅう。熱気による息苦しさに、私は空気清浄機を創ろうかどうかを迷っている。

「では、宰相の正体は悪魔だと……? 殿下はどうやってそれを知ったのですか?」

 ガノンが身を乗り出した。

「俺には予見の魔法が備わっていて、断片的にだが未来の映像が見える」

「予見の魔法?」

 声をあげたのは騎士団と私だけ。グリーランドの人たちは全員知っていたらしく、頷いて聞いている。

「黙っていてごめん。時が来るまでは秘密にしておいた方がいいと思ったんだ」

 ディオは私に謝った。
 ただ、驚いたものの、そうではないのかな?と、薄々感じてはいた。
 ディオが黙り込んで何かを考えている時、きっと未来の映像を見ていたのだ。あの月が見える崖の上で、グリーランド居住区改革を許可してくれた時も、同じく。

「謝らないで下さい。ディオが慎重だったのも、時に気分屋に見えたのも、みんなにとってより良い未来を選ぶため。そんな優しいディオが決めたことなら、最善に決まっています!」

「そ、そうかな? そう言ってくれると嬉しいよ」

 照れたように笑うディオを見て、私もなんだか照れ臭くなった。するとなぜか、近くに座ったウーノやオットがニヤニヤし、ヘンルーダが目じりを下げ、ガノンたちは困ったように目を逸らす。
 どうにも微妙な雰囲気が漂い始めるなか、咳払いをしたガノンが話を戻した。
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