追放された私は、悲劇の聖女に転生したらしいです
「……言われてみれば、その後の話は聞きませんね……では、歴代の聖女たちは生贄に? しかし、魔王は復活していませんよ」

 ガノンと同じことを私も考えた。祝祭は過去に数回ほど行われているはずだけど、魔王は復活していない。
 それはどういうことなのだろう。

「たぶん、聖女の魔力が足りなかったんだ……魔王復活には相当な魔力が必要なのだろう。だから……」

 苦悶の表情でディオは言った。
 魔王復活のために利用され、命を落とした聖女。彼女たちを思い、怒りを我慢しているように思えた。
 ガノンの表情はどんどん硬くなり、他の騎士たちも眉根を寄せる。
 そして、わなわなと震えたあと、ガノンの怒りは爆発した。

「なんということか! 誇り高き騎士団が、聖女を生贄にするために遣わされたとは心外です。すっかり悪魔に騙されていたわけだ。手遅れになる前に気付いてよかった……あ、そういえば」

 憤慨していたガノンは、突然なにかを思い出し黙り込んだ。そんな彼にディオは尋ね返す。

「どうした、ガノン」

「えっ? ええ、あの、我らが出立する直前、ララさんの実家、カレリアス邸に衛兵が踏み込んだようなのです」
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