追放された私は、悲劇の聖女に転生したらしいです
と、納得したものの、小さな疑問が残る。当時王太子であったディオが、なんの関係もない伯爵家に来るなんて少し変だ。私が小さかったのなら、ディオも子供だったはずだし、そんな子供が何の用で? と考えると尚更おかしい。
私が首を捻るのを見て、ディオは話を続けた。
「さっきも言ったけど、俺には予見の魔法がある。カレリアス家に生まれた次女、そう君がね、聖女になる未来を見て、会いたくなったんだ。その頃はまだ、宰相の正体を知らなかったから、聖女になるなんて幸運だな、とカレリアス伯爵に言ったことを覚えている」
「父は嫌な顔をしたでしょう? 姉ならよかったのにと思ったはずです。もともと私、家族みんなに嫌われていましたから」
「閉じ込められていた、と言ったね。どうもそれが腑に落ちない。俺が行った時、カレリアス家は君を囲んで、幸せそうに笑っていたんだ。でも聖女の話をした途端、みんなの顔色が変わって……嫌な顔というより、怯えているように見えたよ」
「笑っていた? みんなが? そんなばかな……」
ディオの話を俄には信じることが出来なかった。私が覚えているのは、苦々しく悪態をつく家族の姿だけ。
私が首を捻るのを見て、ディオは話を続けた。
「さっきも言ったけど、俺には予見の魔法がある。カレリアス家に生まれた次女、そう君がね、聖女になる未来を見て、会いたくなったんだ。その頃はまだ、宰相の正体を知らなかったから、聖女になるなんて幸運だな、とカレリアス伯爵に言ったことを覚えている」
「父は嫌な顔をしたでしょう? 姉ならよかったのにと思ったはずです。もともと私、家族みんなに嫌われていましたから」
「閉じ込められていた、と言ったね。どうもそれが腑に落ちない。俺が行った時、カレリアス家は君を囲んで、幸せそうに笑っていたんだ。でも聖女の話をした途端、みんなの顔色が変わって……嫌な顔というより、怯えているように見えたよ」
「笑っていた? みんなが? そんなばかな……」
ディオの話を俄には信じることが出来なかった。私が覚えているのは、苦々しく悪態をつく家族の姿だけ。