追放された私は、悲劇の聖女に転生したらしいです
 笑顔なんて、想像ですら浮かんで来ない。

「俺は可能性の話しか出来ないけど、もしかしたら、カレリアス伯爵たちは聖女が辿る結末について、知っていたんじゃないかと思っている」

「結末って、生贄にされることですか?」

「そう。聖女が生贄になることは外部に漏れていない。だけど、魔法使いを多く輩出するカレリアスの家系の中には、過去に聖女になった者がいたはずだ。もしかしたら、悪魔に気付かれない形でなにか記述が残っていたかもしれない。それならわかるんだ。君を助けるために、わざと閉じ込めて隠し悪魔の目から遠ざけたのか、って」

「ちょ、ちょっと待って下さい。いきなり過ぎて思考が追い付かないのですが……それだと、家族が私を生贄にしたくなくて、閉じ込めたように思えますよ?」

 ディオが言う可能性は、突拍子もなかった。そんなバカなことがあるだろうか? 助けるためにわざと閉じ込めるなんて、普通じゃ考えられない。
 だけど……相手が悪魔だとしたら。人智を超える存在が相手なら、あり得ない話じゃないのかも。
< 206 / 275 >

この作品をシェア

pagetop