追放された私は、悲劇の聖女に転生したらしいです
「でも結局知られてしまった……だから、計画を変更して逃がすことにしたの。そのために更にあなたを傷つけることになってしまったけれど、仕方なかった。絶対に死なせたくはなかったから。私たちはどんなに恨まれたって、代わりに死んだってかまわない。あなただけは守りたかったのよ」

「……どうしてそこまで私を守ろうとするのですか? 私のせいで母は死んだのですよ! みんなの大切な人を奪ったのに! どうして!」

 込み上げる気持ちを、必死で抑えようと思ったけど無理だった。
 私には、みんなの気持ちが理解できない。愛する人を奪った者を、どうして守ろうと思うのか。
 それが知りたかった。

「あなたが生まれた時、お母様は笑って言ったの。みんなでララを守って、それが私の最後の願い、と。あなたはお母様の希望、そして、私たちの希望でもあったのよ」

 ナタリアは笑った。私が一度も見たことない素敵な笑顔で笑った。父も兄も笑った。まるで愛おしいものを見るように笑ったのだ。
 君は確かに愛され守られていた、というディオの言葉が、頭の中を駆け巡る。
 何年も経って知った真実は、今までの悲しみや辛さを軽々と凌駕していった。
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