追放された私は、悲劇の聖女に転生したらしいです
 私とディオは、夜空を見上げ、決意を新たにした。
 
「では、あとでお迎えに上がります」

 夕食が終わると、宰相が言った。
 とうとう月蝕の夜がやって来た。
 月蝕は今夜夜中過ぎから始まり、およそニ十分でまた姿を現す。それはフェイロンが導き出した計算によるものだ。ファルナシオンも星見の塔から暦を買っているらしいけど、その暦に時間までは書いていない。フェイロンがくれた特別版を持っている私たちの方が、時間を知っているだけ有利である。
 ニ十分。その間に悪魔を倒し、魔王復活を阻止すれば、勝ちなのである。
 宰相が去ったのを確認したディオは、徐に耳に手を当てた。
 グリーランドで決戦の準備をしている時、ブラックライトともうひとつ、便利なものを創造した。
 分断された仲間と、簡単に連絡を取れるもの。トランシーバーである。大型のものをイメージしがちだけど、最新式はかなり小型で高性能のものが普及している。イベントなどでも用いられるものは広範囲で受信が出来るためとても便利なのだ。

「……よし。わかった。そのまま待機」
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