追放された私は、悲劇の聖女に転生したらしいです
 暗黒の空に浮かんだ無数の球体から出て来たのは、羽のある魔物。グリーランドで見た魔物と同じような有翼の使い魔だけど、体は二回りほど大きく顔も怖い。
 どうみても強化版である。

「そうきたか。地に降りても、空を飛んでも狙って来る。どこにも逃げ場はないぞ、と言いたいようだ」

「ええ。でも、逃げたりしませんけどね」

「その通り! 地上はウーノやガノンたちに任せて、俺たちは羽のある魔物を担当しよう」

「はい! じゃあアメちゃん敵の攻撃をかわしつつ……アメちゃん?」

 作戦を伝えようとすると、なぜかアメちゃんは小刻みに震えていた。その視線はネビロスに向いている。

「どうしたの?」

「あいつよ……あいつ。暗くてよく見えなかったけど、洞窟に来て私を水晶に変えたのは、あの悪魔よっ!」

「ネビロスが?」

 驚いた。まさか、ネビロスとアメちゃんにそんな因縁があるなんて考えもしなかった。
 でも、なんでネビロスはわざわざドラゴンの洞窟に赴き、最後のドラゴンであるアメちゃんを水晶に変えたのだろう。暫く考えて、ある可能性が頭に浮かんだ。
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