追放された私は、悲劇の聖女に転生したらしいです
 この機会を逃してはいけない、と心が叫んだ。

「真っ直ぐ飛んで、アメちゃん! ネビロスに向かって!」

「え? 真っ直ぐだとぶつかっちゃうよ!」

「大丈夫信じて」

「……うん。信じる! ようしっ、しっかり掴まっていてね!」

 アメちゃんは私とディオを乗せて、ネビロスに突撃した。

「愚かな。自ら生贄になりに来るか。どんな武器でも、私に傷をつけることは出来ないぞ」

 ネビロスは私たちの行く手を阻むように、使い魔を数体出してきて邪魔をする。それをスピネの盾と、アメちゃんの火炎砲で浄化すると、私は槍を構えた。

「うまく投げられないかも」

 一瞬の弱音を、ディオが優しくカバーした。

「俺が支える。思い切って投げろ」

 長い柄を、安定するようディオが支える。それにより、うまく狙いが定まった。
 使い魔を失い、今やネビロスの懐はがら空きだ。その悪魔の体に向けて、渾身の力で槍を投げた。
 軌道はバッチリ、勢いもある。背負った思いの全てが詰まった槍は、ネビロスの胸を貫き、軌道を変えて私の手元に戻って来た。
 ネビロスはなにが起こったのかわからないように胸を押さえ、自身の体の裂け目に気付くと咆哮をあげた。
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