追放された私は、悲劇の聖女に転生したらしいです
「ここから三つ山を越えた、大きな山脈の向こうのグリーランドの鉱山。そこならまだあるはずよ」

「グリーランド……辺境ね。ファルナシオンの端、隣国ソラスとの国境にある……」

 地図でしか見たことのない未開の地。人が住んでいるのかもまるでわからない未知の世界である。でも、そこに宝石がゴロゴロあったとしても、私たちには行く手段がない。歩いていけば、かなりの時間がかかってしまうし、残念だけど諦めるしかないかな。
 そう考えていると、アメちゃんと目が合った。彼女は、目をキラキラさせながら、ずいっと一歩進み出て、得意げに言ったのである。

「人の足では遠いけど、私ならすぐよ。ご主人様たちを乗せてひとっとびー!」

「確かに! そっか。うん、そうだよね……あ、でも、アメちゃん目立つじゃない? 一緒に旅をするには大きすぎるよ。なにか目立たないものに変身出来ない?」

 スピネとムーンは、触媒である髪飾りとペンダントに変身することが出来るみたいだし、同じように名前を与えられたアメちゃんにも、そんな機能がついているかもと考えたのだ。

「うーん。出来る気がする……やってみるね!」
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