追放された私は、悲劇の聖女に転生したらしいです

　大きさは居住区の半分くらいで、結構天井が高い。所々に採掘跡があり、壊れた工具が放置されていた。中央付近の採掘跡が一番大きいところを見ると、そこが一番採掘量の多い場所だったのだと思う。
　私はディオと中央に移動し、アメちゃんを呼んだ。

「ねえ、どのへんに埋まっているのかわかる？」

「ええと……」

　アメちゃんは巨体を揺らしながら、のそのそと歩き回った。その姿を奇妙なものを見るように、ウーノたちが眺めている。ドラゴンが喋りながら歩く姿にまだ慣れないみたいだ。

「あ！　ここ！　この下の方にいっぱいあるよ」

　立ち止まり振り返ったアメちゃんは、嬉しそうにピョンピョン飛んだ。すると、天井からパラパラと岩壁が剥がれてきて、私たち全員が青くなった。古い鉱山だから、なにが起こるかわからない。その中でも一番起こりそうなことは、岩盤の崩落である。

「ア、アメちゃん！　飛んじゃダメよ！」

「はーい。わかりましたー」