追放された私は、悲劇の聖女に転生したらしいです
 飛び跳ねたから岩盤が崩落したと思って、責任を感じているのだろう。でもたぶん、老朽化で崩落は時間の問題だった。そう考えると、私たちがいる時に起こって逆に幸運だったのかもしれない。
もし誰かが入り込んでしまって、ちょうど崩落が起きたらと思うと……ぞっとする。

「なんと心の広い方だ。お頭、私は魔法なんてクソほどの役にも立たないと思っていましたが、考えを改めました」

「うん。目の前で見れば凄さがわかるな。俺もちょっと驚いたよ。これほどとはね」

 ディオとウーノはこちらを見てしきりに感心している。褒められ慣れてない私は、どんな顔をしていいかわからず、ひたすら笑ってごまかす。照れる、というか、困るというか……とにかく、恥ずかしいのだ!

「あ、あのっ、ディオ? そろそろ宝石を持って居住区へ帰りませんか?」

「ああ、そうしよう。もうすぐお昼になるからな。もっと掘れば出そうだから、明日も来ようか。たくさんあった方がいいのだろう?」

「はい! あればあるほど嬉しいです!」

「はははっ、正直だな」

 ディオの笑い声が天井に反響する。するとみんなも笑い出し、自然と私も笑顔になった。
 
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