追放された私は、悲劇の聖女に転生したらしいです
 ヘンルーダの手料理。
 それは、一言でいうと真っ黒だった。名づけるなら、そう! 暗黒物質である。ヘンルーダが生み出した暗黒物質は、一口食べると口内が痺れ、二口食べると胃が軋む。自信満々だった彼女は、今や可哀想なくらい項垂れている。

「ごめんなさい……」

「だから言ったのに。仕方ないな、ウーノのところで少し貰って来るから」

 ディオは、淡々と言うと、外へ出て行った。
 隣にどんよりオーラを纏ったヘンルーダ。目の前に暗黒物質。どうしてこうなった? という食材の悲鳴が聞こえて来るようだ。

「あの……誰にでも失敗はあると思いますよ。なんでも慣れですよ、慣れ」

「ララさん、優しいのね。私、料理なんて簡単に出来ると思っていたわ。でも、難しいのね。料理人を尊敬するわ」

「そうですね。でも、ヘンルーダさんは、なんで今まで料理しなかったのですか? 目を悪くする前も、やってなかったのですよね?」

「ええ。料理人がいたから必要なかったのよ」
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