追放された私は、悲劇の聖女に転生したらしいです
 サーシャはスピネたちにペコリと頭を下げた。丁寧に挨拶された二匹は、気をよくしてサーシャに近付き、自己紹介を始めた。

「こんにちは。可愛いお嬢さん。私はムーンです」

「我はスピネ。サーシャ、よろしく頼む」

「まあ、すごい。守護獣って喋れるのですね」

 マイアは驚いて目を見開いた。実は私も驚いている。守護獣たちは、よっぽどのことがない限り、他人に話しかけない。しかし、サーシャにはちゃんと挨拶を返している。本能で無垢な心を感じ取ったのだろうか。まあ、結論として「誰も幼女には敵わない」ということだ。
 サーシャとスピネとムーンは、じゃれ合いながら遊び始めた。
 さて、問題はアメちゃんである。
 建物内で呼んでしまうと家屋倒壊の危険がある。ただでさえ、壊れそうな造りの家にこれ以上ダメージを与えたくはない。そう思い、一旦みんなに外に出て貰うと、満を持してアメちゃんを呼んだ。
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