追放された私は、悲劇の聖女に転生したらしいです
 動力(電気)なしで動く家電という怪奇現象に素直に喜べない自分がいる。結果的にはよかったのだけど、原因がわからないと気持ち悪い。この力がチートなのは知っているけど、まさか動力なしで使える家電が創れるなんて。
 そう思っていると、背後からバサッと音がして、肩になにかが乗った。

「ララさま。なにかご不明なことがおありの様子」

「ムーン? あ、うん。そうなの。この洗濯機の動力がわからなくて……なんて言ってもあなたにもわからないよね」

「わかりますよ」

「はあ? え、創った本人にわからないのに、どうしてムーンが知っているのよ」

 するとムーンは、事も無げに言ったのだ。

「お忘れですか? 私を創る時に、全知をお与えになったでしょう? それにより、あらゆる事を見通す力を頂きました」

「……全知? そうだったかなあ?」

 悪いけどよく覚えていない。あの時は、逃げ出すことに必死で、とにかく優秀で強い守護獣を創ろうと考えていた。
 その中で、ひょっとしたら全知を入れたかもしれないけど。

「お答えしますか? それとも無用でしょうか?」

「教えて下さい」
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