追放された私は、悲劇の聖女に転生したらしいです
 キャンプ道具の簡易ベッドを組み立てて、体を横たえ足を延ばすと、今日一日の出来事を振り返る。
グリーランドに着いて早々山賊に出会い、なぜか客人扱いされ、鉱山で金剛石を見つけて、崩落を止めた。
 ヘンルーダの暗黒物質で胃を破壊されかけ、彼女に眼鏡を創り、給水ポンプと洗濯機も創った。たった一日で、いろんなことがあって、いろんな人と出会った。グリーランド居住区改革は出来ないかもしれないけど、私、よく頑張ったじゃない。
 ひとり納得すると、瞼を閉じる。
 一分、二分、三分と時が経ち、ふと瞼を開ける。体は疲れているはずなのに、なぜか眠れない。どうしてだろうと考えて、浮かんで来たのはディオの顔だった。
 「もっと深くディオを知ってくれたら」というヘンルーダの言葉が脳裏を過る。
 その時、部屋の外を誰かが通った気配がした。この部屋の真裏は確か緩い崖。登れば周囲が一望出来るとヘンルーダが言っていた。
 行ってみようか。こんな時間に行っても暗いだけで何も見えない。だけど……なぜか……。
 心が急いて落ち着かない
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