一途な令嬢は恋をする
うふふっ。
たっのしーー!!

こんな街を走り回れるのはいつぶりかしら。
いつもは護衛にいっぱい囲われているから中々馬車の外にも出してくれないのよね。

危ないからとか言うけど別にいいじゃない。
走り回っても危なくない街を作るのがお父様のお仕事でしょって話なの。
まぁでもお父様の事だから心配してくれてるだけなのよね。それは分かる・・・・・・だから今日ぐらいは好きなようにさせてもらうわ!

「おい・・・エリー・・・・・・エリー!!」

気になったお店の前で待っていると、走りながら追いかけてくるミットが見えた。

「あ、やっと来た。もう、待ちくたびれたわよ!」

「はぁ・・・はぁ・・・・・・ようやく追いついた」

「もう、だらしないわね。それでも男なの!」

「いやいや・・・・・・君が早すぎるんだよ・・・・・・」

「え、そうかしら?」

「絶対そうだ!」

何を言っているの。
これぐらいで息切れする貴方の方がおかしいに決まってるじゃない。

でも別にいいわ。
私は礼儀正しいからね。
子爵様の貴方を立ててあげることにしてあげる。
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