一途な令嬢は恋をする
・・・・・・・は??

ミエラルト様は何を言っているの。
私は何を言ってるのか意味が分からなかった。

が、すぐになんとなく理解できた。
だって、こんなこと言ってくるんですもん。

「あーーごめんごめん。こっちの話! 僕もあの有名なご令嬢とデートできるなんて幸せな一日だよ」

あーーなるほど。
そういう事ね。

ミエラルト様が言いたいことを簡潔に表すとこうだ。

冷酷令嬢って呼ばれてるぐらいだから礼儀も皆無なんだと思ってたよ。
多少なり貴族はやってるんだね。
まぁ1日ぐらい僕の貴重な時間を使ってあげることを許してあげるから、少しは楽しませてね。

何よ、見た目が多少良くて位も自分の方が上だからって・・・貴方の方が礼儀がないじゃない!

こう言いたい。言いたいけど・・・・・・これがお見合いだから我慢するしかないの。
上の位の貴族は下の位の貴族の事を格下だと思っている。
これは周知の事実。
だから別にミエラルト様が性格が悪いというわけではない。だって、そういう風に育てたのは家であり世なのだから。

私はだからこう自分に言い聞かす。

我慢よ。我慢なの。
私が背負っているのはエールランド家でもあるのだから。

よし、もう大丈夫。
私の心は完全に落ち着いた。
これでいつも通り接することができそうね。
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