華夏の煌き
星羅の生年月日と出生時刻、そして町の場所が書かれた紙を陳老師に渡す。じっと紙を眺めた後、陳老師は立ち上がり棚から巻物を一つとりだし、机に広げる。何やら数が隙間なく書かれているが、慶明には何の数値かわからなかった。
巻物を下に置き、今度は無地の紙を台に置き筆をとった。さらさらと何か図形を描き始める。円形を12に分割し、いろいろな記号を書き込んだ後「よし」と陳老師は筆をおく。
「名は?」
「星羅です」
「晶鈴め、良い名をつけたの」
嬉しそうに目を細め陳老師は、図形を眺める。
「これはな生まれた時の星の配置図じゃ……。これでその人物の才、人格、運命などがわかる」
「これで……」
「生まれた時間まではっきりわからんと正確な配置図を描けんのでな、晶鈴は観てやれなかったの」
「なるほど……」
生年月日に加え、出生時間や出生場所の明確さを求めると、庶民には無理だろうし、このような高度な占術はやはり王族などの一部のものにしかまみえることはできないのだろう。
「うんうん。晶鈴とあの方のお子だけあるの……」
父親を知っているかのような口ぶりに慶明は息をのむ。しかし黙って触れないことにした。
「この娘はどのような者でしょうか。これからどうすれば……」
「星羅はこの華夏にとってなくてはならん存在じゃよ。あと10年すれば才は花開く。3つになったらそなたの夫人の学舎へ入れてやるがよい」
「は、はい」
「ところで、もう一人星羅より先に生まれた子がおるじゃろ?」
「ええ。星羅を育てている朱夫婦の息子、京樹がほんの1刻くらい先に生まれたようで」
「ほうっ」
陳老師はまた無地の紙に新たに星の配置図を描く。
「どうしてじゃろうか。この子も華夏、いや、太極府にとって大きな存在になるような資質を持っておる。おかしい。どうして見つけられなかったのだろうか」
占術の大きな資質を持つ者がいると、星の動きや、太極府の占い師たちによって見出されていたのに、この朱京樹の存在を知ることができなかったことに、陳老師は首をかしげる。慶明は、ああとつぶやき進言する。
「京樹はこの華夏民族ではないからでしょう。西国の紅紗那民族ですから」
はっと目を見開き陳老師は呻く。
「民族か。なるほどのう」
確かに本来なら、この中華にいる民族ではない。しかし民族は違えど今はこの国にいるのだ。
巻物を下に置き、今度は無地の紙を台に置き筆をとった。さらさらと何か図形を描き始める。円形を12に分割し、いろいろな記号を書き込んだ後「よし」と陳老師は筆をおく。
「名は?」
「星羅です」
「晶鈴め、良い名をつけたの」
嬉しそうに目を細め陳老師は、図形を眺める。
「これはな生まれた時の星の配置図じゃ……。これでその人物の才、人格、運命などがわかる」
「これで……」
「生まれた時間まではっきりわからんと正確な配置図を描けんのでな、晶鈴は観てやれなかったの」
「なるほど……」
生年月日に加え、出生時間や出生場所の明確さを求めると、庶民には無理だろうし、このような高度な占術はやはり王族などの一部のものにしかまみえることはできないのだろう。
「うんうん。晶鈴とあの方のお子だけあるの……」
父親を知っているかのような口ぶりに慶明は息をのむ。しかし黙って触れないことにした。
「この娘はどのような者でしょうか。これからどうすれば……」
「星羅はこの華夏にとってなくてはならん存在じゃよ。あと10年すれば才は花開く。3つになったらそなたの夫人の学舎へ入れてやるがよい」
「は、はい」
「ところで、もう一人星羅より先に生まれた子がおるじゃろ?」
「ええ。星羅を育てている朱夫婦の息子、京樹がほんの1刻くらい先に生まれたようで」
「ほうっ」
陳老師はまた無地の紙に新たに星の配置図を描く。
「どうしてじゃろうか。この子も華夏、いや、太極府にとって大きな存在になるような資質を持っておる。おかしい。どうして見つけられなかったのだろうか」
占術の大きな資質を持つ者がいると、星の動きや、太極府の占い師たちによって見出されていたのに、この朱京樹の存在を知ることができなかったことに、陳老師は首をかしげる。慶明は、ああとつぶやき進言する。
「京樹はこの華夏民族ではないからでしょう。西国の紅紗那民族ですから」
はっと目を見開き陳老師は呻く。
「民族か。なるほどのう」
確かに本来なら、この中華にいる民族ではない。しかし民族は違えど今はこの国にいるのだ。