カタストロフィ


「……そうよ。今さら貴方から離れるつもりはないけれど、それでもこんな大事なことで嘘をつくなんて心苦しいわ」

「血が出れば誰だって処女だと思うものさ。それに、君が昔陵辱されたことを知っているのは僕だけだ。だからこのままで良い。自分が幸せになることだけ考えて」


これ以上何も考えさせない為に、ダニエルはユーニスの唇を己のそれで封じた。
手を繋ぎ合い、緩やかに自身をユーニスの中に埋めていく。
厚みのあるゴム越しでもわかるその温かさに、ダニエルは興奮と安堵感を覚えていた。

「子供はどうする?欲しい?」

産むことを当たり前とするのではなく希望を聞いてくれるその姿勢が嬉しくて、ユーニスは笑みをこぼした。

「そうね、新婚旅行が終わったら欲しいわ。貴方にそっくりの子を産みたい」

「嬉しいことを言ってくれる。じゃあ今だけだね、こんな風に快楽を貪れるのは」


急に好い所に腰を打ちつけられ、ユーニスはたまらず嬌声をあげた。
いきなり始まった快楽の律動に飲み込まれながら、美しい体についた無数の傷跡に触れて口づける。

二人が互いだけしか見えない時間は、夜が明けるまで続いた。

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