アンドロイド・ニューワールドⅡ
「ほら、そろそろ見えましたか?白い何かがひらひらしています」

「うわっ…」

と、奏さんは言いました。

私達の視線の先で、暗い通路の左右から、白い手…触手のようなものが伸びて。

それが、ひらひらと踊っていました。

…何だか楽しそうですね。

「…じわじわ来る奴だ…」

と、奏さんは呟いていました。

何が来るのでしょう。

「不気味だなぁ…近寄りたくない」

「そうですか?まるで手招きしてくれているようで、友好的ではありませんか」

「瑠璃華さん、どれだけ前向きなの…?」

と、奏さんは聞きました。

前向き?私がですか?

それにしても、あの白い触手。

宇宙人と言えば、銀色っぽい軟体動物のような生き物が、モチーフにされることが多いですが。

その姿を真似ているのでしょうか。あの軟体動物のような動きを見るに。

よく考え込まれていますね。

「何でも、気味悪がって忌避するのは良くありません。お互い共通の言語がなかったとしても、身振り手振りで友好を示すことは出来ます。手を繋いで、友好の証を示しましょう」

「いや、友好も何も、相手は普通の人間だから…」

と、奏さんは言いました。

が、試してみないことには、分かりません。

私はその白い触手に近づき、手を繋いでみよう…と、思いましたが。

私が近づくと、その触手は、狂ったようにびたんびたんびたん、と痙攣し始めました。

「ひっ」

と、奏さんは怯えていました。

…これは…。

「…握手を拒否されたということでしょうか。…残念です」

と、私は言いました。

宇宙人と、友好の一歩を共に歩み出せると思ったところでしたのに。

仕方ありませんね。

この触手は無視して、先に進みましょう。

「しかし、手だけが出てくるとは…。どうせなら、全身を見せて欲しいですね」

「敢えて手だけを出すことによって、不気味さを煽ってるんじゃない?」

と、奏さんは言いました。

成程、そういうことですか。

手だけが見えていたら、その手から胴体を想像しますからね。

どのような胴体をしているのでしょうか。

やはり、軟体動物のような見た目なのでしょうか。

是非とも見てみたいですね。





…と、思っていたのですが。
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