アンドロイド・ニューワールドⅡ
一言で分かりやすく言うならば、空き巣ですね。

まさか数日家を空けただけで、空き巣に入られるとは。
 
世知辛い世の中です。

侵入されているだけて、何も盗まれていないことがせめてもの救いでしょうか。

…とりあえず。

「空き巣は犯罪ですよ。…碧衣さん」

と、私は何もない空間に向かって言いました。

空き巣の正体は、彼です。

またしても、性懲りもなく…ステルス機能で姿を消して、私のもとに現れたのです。

すると。

「むむむ…。メンテナンスついでに、ちょっとアップデートしてもらったんですが…。やっぱりバレましたか」

と、碧衣さんは言いました。

彼はまるで瞬間移動したかのように、そこに現れました。

が、別にこれは瞬間移動ではなく、単にステルス機能を解除しただけです。

「人間相手であれば、完璧に騙せると思いますよ」

「そうですか。まぁ、そうでしょうけど」

「碧衣さんも、メンテナンスから戻ってきていたのですね」

「えぇ。今朝『Neo Sanctus Floralia』を発ちました」

と、碧衣さんは言いました。

私と、ほぼ同じタイミングですね。

「それで、空き巣までして、私に何か用ですか?」

「久々に、生まれ故郷の第2局で紺奈局長に再会出来た喜びを、瑠璃華さんにも伝えたくて」

「それは良かったですね。おめでとうございます」

と、私は言いました。

「ありがとうございます。それともう一つ…僕らの後輩について。瑠璃華さん、もう聞きました?」

と、碧衣さんは尋ねました。
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