アンドロイド・ニューワールドⅡ
私達の後輩。

それは…。

「『人間交流プログラム』の後輩のことですか?」

「えぇ、そうです」

「それなら、ここに戻るとき久露花局長に聞きました。第1局にいる2017番、キルケーが、新たに『人間交流プログラム』に参加するそうですね」

「あ、やっぱり聞いてたんですね」

と、碧衣さんは言いました。

ということは、碧衣さんも聞いていたのですね。

「紺奈局長が、別のアンドロイドの話をしているものだから、つい気になって。もしや浮気じゃないかと、根掘り葉掘り聞いたんですよ」

と、碧衣さんは言いました。

別のアンドロイドの話をするだけで、浮気を疑われるのですか。

紺奈局長も大変ですね。

「そしたら、三人目がやって来るってことで…。しかも瑠璃華さんと同じ学校なんでしょう?」

「はい、そうらしいです」

「それは苦労しますよ」

と、碧衣さんは言いました。

苦労?

「何故私が苦労することになるのですか?」

「いえ、実はさっき僕、2017番に会ってきたんですよ」

「え?」

と、私は聞き返しました。

会った?2017番に?

「いつの間に会ったのですか」

「こっちに戻ってきてすぐに。ついさっきです。どうも2017番は、既に準備万端整えて、明日には転入出来るよう、こちらにいるそうです」

と、碧衣さんは言いました。

そうだったのですか。それはまた急ですね。

「それで、それの何が、私を苦労させることになるのですか?」

「それは…」

と、碧衣さんは言いかけました。

すると、そのときでした。







「…見つけました。1027番。コードネーム『ヘレナ』」

と、何者かの声がしました。

そして、同時に。

何もなかったはずの空間に、またしても人影が現れました。
< 263 / 467 >

この作品をシェア

pagetop