アンドロイド・ニューワールドⅡ
…まさか。
一日に、二度空巣を経験することになるとは。
しかも、これほど短時間の間に。
短時間で二度空き巣被害に遭ったアンドロイドとして、私はギネスブックに登録されてもおかしくありませんね。
そして、突如現れたその人影こそが。
つい今しがた、碧衣さんと話していた、件の人物です。
『Neo Sanctus Floralia』第1局所属、Sクラス2017番。コードネーム『キルケー』。
「お久し振りですね、2017番」
と、私は彼女に挨拶をしました。
彼女にこうして、直接会うのは…310年振りですね。
それくらい、長らく会っていませんでした。
しかし、彼女の容姿は、私の記憶にあるものと変わりありません。
何なら私の容姿も、碧衣さんの容姿も、300年前から何も変わっていません。
『新世界アンドロイド』は、基本的には稼働したときから、容姿を変えることはありませんから。
でも、着ている服は、私の記憶にあるものとは違います。
今2017番は、制服を着ています。
私立星屑学園の制服を、です。
私が普段着ている制服とは、若干細部が違ったり、色が微妙に違っているところがあるのは。
それは、私が高等部の制服を着ており、彼女は中等部の制服を着ているからです。
中等部と高等部で、微妙に制服のデザインが違うのです。
転入は明日だというのに、もう制服を着てスタンバイしているとは。
準備万端ですね。
すると。
「お久し振りです、1027番」
と、2017番は私に挨拶しました。
それだけではありません。
「端的に言います。1027番、私は、あなたを越えます」
と、2017番は言いました。
…はい?
…越える?
私の頭上を飛び越えたい、ということでしょうか。
それならどうぞ、ご自由に。
「…宜しければ、しゃがみましょうか?楽に飛び越えられますよ」
と、私は言いながら、その場にしゃがみ込もうとしたのですが。
「物理的に飛び越える訳ではありません」
と、2017番は言いました。
そうですか。
それは誤解してしまいました。申し訳ないですね。
「私は『人間交流プログラム』の参加者として、あなたを越えます。1027番。そして、1110番にも」
「…それはさっき聞きましたよ」
と、碧衣さんは言いました。
碧衣さんにも言っていたのですか。
飛び越える宣言を?
ご自由に飛び越えてください、と言いたいところですが。
どうやら2017番が言いたいのは、そういうことてはないようです。
一日に、二度空巣を経験することになるとは。
しかも、これほど短時間の間に。
短時間で二度空き巣被害に遭ったアンドロイドとして、私はギネスブックに登録されてもおかしくありませんね。
そして、突如現れたその人影こそが。
つい今しがた、碧衣さんと話していた、件の人物です。
『Neo Sanctus Floralia』第1局所属、Sクラス2017番。コードネーム『キルケー』。
「お久し振りですね、2017番」
と、私は彼女に挨拶をしました。
彼女にこうして、直接会うのは…310年振りですね。
それくらい、長らく会っていませんでした。
しかし、彼女の容姿は、私の記憶にあるものと変わりありません。
何なら私の容姿も、碧衣さんの容姿も、300年前から何も変わっていません。
『新世界アンドロイド』は、基本的には稼働したときから、容姿を変えることはありませんから。
でも、着ている服は、私の記憶にあるものとは違います。
今2017番は、制服を着ています。
私立星屑学園の制服を、です。
私が普段着ている制服とは、若干細部が違ったり、色が微妙に違っているところがあるのは。
それは、私が高等部の制服を着ており、彼女は中等部の制服を着ているからです。
中等部と高等部で、微妙に制服のデザインが違うのです。
転入は明日だというのに、もう制服を着てスタンバイしているとは。
準備万端ですね。
すると。
「お久し振りです、1027番」
と、2017番は私に挨拶しました。
それだけではありません。
「端的に言います。1027番、私は、あなたを越えます」
と、2017番は言いました。
…はい?
…越える?
私の頭上を飛び越えたい、ということでしょうか。
それならどうぞ、ご自由に。
「…宜しければ、しゃがみましょうか?楽に飛び越えられますよ」
と、私は言いながら、その場にしゃがみ込もうとしたのですが。
「物理的に飛び越える訳ではありません」
と、2017番は言いました。
そうですか。
それは誤解してしまいました。申し訳ないですね。
「私は『人間交流プログラム』の参加者として、あなたを越えます。1027番。そして、1110番にも」
「…それはさっき聞きましたよ」
と、碧衣さんは言いました。
碧衣さんにも言っていたのですか。
飛び越える宣言を?
ご自由に飛び越えてください、と言いたいところですが。
どうやら2017番が言いたいのは、そういうことてはないようです。