アンドロイド・ニューワールドⅡ
先程から2017番は、目標だとか、壁だとか、越えるだとか言っていますが。

何故そのようなことをする必要があるのか、私には理解出来ません。

「私達は三人共、『人間交流プログラム』を遂行する『新世界アンドロイド』仲間です。共に協力こそすれど、互いを蹴落とす必要はないのでは?」

と、私は言いました。

しかし。

「同じ課題を、異なる者同士が同時に遂行するとき、お互いに協力するよりも、お互いに競争した方が、高い効果をあげられます」

と、2017番は言いました。

確かに、それはその通りだと思いますが…。

「よって、私はあなた方に負けません。特に1027番、現状最も『人間交流プログラム』の成果をあげているあなたを越えれば、私の方が優秀であると証明されます」

と、2017番は淡々と言いました。

「ましてや、私とあなたは同じ学校に配属する訳ですから、より比較もしやすい。私が誰よりも優秀であると、そう、」

「ねぇ。あなたさっきから、勝手なことばっかり言ってますけど」

と、碧衣さんは、2017番の言葉を遮って言いました。

これはもしかしたら。

これはもしかしなくても。

不味いパターンかもしれません。

だって、碧衣さんが。

「…それって、僕らに喧嘩売ってるんですかね」

…と、碧衣さんは聞きました。

まるで、誰かに紺奈局長を侮辱されたときの反応になっています。

これはエマージェンシーです。

私の住むアパートが、破壊されてしまう恐れがあります。

厄介なことになりました。
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