アンドロイド・ニューワールドⅡ
こうして、立て続けに三つの屋台を堪能した私と奏さんは。

他にも様々な屋台を眺めながら、花火大会の会場を歩いていました。

「賑やかになってきましたね」

「そうだね」

「…しかし、今日の私は随分、人々の注目を集めているようですね。何だか恥ずかしいです」

「…うん、その格好だとしょうがないと思う…」

と、奏さんは真顔で言いました。

風情ある浴衣姿なのですが、何か問題があるのでしょうか。

すると。

向こうから、私よりも更に、周囲の注目を集めている方が近づいてきました。

「…ん?うわっ…。あの人達、凄いな」

と、奏さんは言いました。

「あの人達?誰のことですか?」

「ほら…あれ」

と、奏さんが指を差す先を見ると。

…あぁ。

「何て言うか…凄く…堂々としてるな。男同士なのに、あんなに露骨に腕を組んで歩いて…。いや、差別意識はないつもりだけど、実際目にしてみるとなかなか強烈、」

「あれは私の知り合いですね」

「あれ瑠璃華さんの知り合いなの!?」

と、奏さんは叫びました。

えぇ、彼らは私の知り合いです。

第2局の紺奈局長と、アンドロイド仲間の碧衣さんですね。

同じ会場に来ているのだから、鉢合わせするかもしれないとは思っていましたが。

本当に会うとは。

と言いますか、碧衣さん、無事に紺奈局長を誘うことに成功したんですね。

良かったです。

「ちょっと、声をかけていきましょうか」

「えぇ…?こ、声かけて大丈夫なの…?」

「?勿論です。怪しい方ではありませんよ?」

「充分怪しく…いや、妖しく見えるんだけど…。俺の偏見だろうか…」

と、奏さんは呟いていましたが。

私は、紺奈局長と碧衣さんのお二人に、声をかけに行くことにしました。
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