アンドロイド・ニューワールドⅡ
…桃狩りが終わった後。
「桃ソフトクリームだそうです。美味しいですね」
「うん。ちょっと寒いけど美味しい」
と、奏さんは言いました。
農場の方が、クラスメイト全員にご馳走してくれました。
この農場限定の、桃味のソフトクリームだそうです。
まぁ、もしかしたら裏で料金を払っているだけなのかもしれませんが。
いずれにしても、学校が負担してくださっているので、私達が財布を出す必要はありません。
何だかお得な気がしますね。
このソフトクリームも、出来ればお土産に持って帰りたいところですが、さすがに溶けそうなので無理ですね。
ここで食べてしまうとしましょう。
もぐもぐ。
「…何だか、入学して以来、初めてかも」
と、奏さんはソフトクリームを食べながら言いました。
「何がですか?」
「こんなに遠足が楽しかったの。修学旅行なんていたたまれないだけだったし、遠足も毎年、申し訳ない気持ちでいっぱいで、楽しむどころじゃなかったし…」
と、奏さんは言いました。
そうでしたか。
それは、これまで大変な思いをされましたね。
「でも、今年は瑠璃華さんと一緒に来れて、楽しかった。…ありがとう」
と、奏さんは笑顔で言いました。
「それは良かったです」
と、私は言いました。
「…まさか、奏さんがそれほど桃がお好きだとは思いませんでした」
「…は?」
と、奏さんはポカンとしていました。
どうしましたか。
「これまでで一番というくらいに、楽しかったのでしょう?」
「え?いや、それは…うん、そうだけど」
「奏さん、そんなに桃が好きだったのですね。それは初めて知りました」
「え、ちょ、ちが、そうじゃない。いや好きだけど。桃は好きだけど。でもそうじゃなくて、俺は瑠璃華さんと来られたから楽しかったってことが言いたいんであって、」
「あ、そうだ。それほど桃がお好きなら…。私は今日、帰ったら『猿でも分かる!桃』の本を入手しますので、読み終えたら奏さんにもお貸ししますね」
「…分かってない…。この子全ッ然分かってない…」
と。
奏さんは、遠い目で呟いたのでした。
「桃ソフトクリームだそうです。美味しいですね」
「うん。ちょっと寒いけど美味しい」
と、奏さんは言いました。
農場の方が、クラスメイト全員にご馳走してくれました。
この農場限定の、桃味のソフトクリームだそうです。
まぁ、もしかしたら裏で料金を払っているだけなのかもしれませんが。
いずれにしても、学校が負担してくださっているので、私達が財布を出す必要はありません。
何だかお得な気がしますね。
このソフトクリームも、出来ればお土産に持って帰りたいところですが、さすがに溶けそうなので無理ですね。
ここで食べてしまうとしましょう。
もぐもぐ。
「…何だか、入学して以来、初めてかも」
と、奏さんはソフトクリームを食べながら言いました。
「何がですか?」
「こんなに遠足が楽しかったの。修学旅行なんていたたまれないだけだったし、遠足も毎年、申し訳ない気持ちでいっぱいで、楽しむどころじゃなかったし…」
と、奏さんは言いました。
そうでしたか。
それは、これまで大変な思いをされましたね。
「でも、今年は瑠璃華さんと一緒に来れて、楽しかった。…ありがとう」
と、奏さんは笑顔で言いました。
「それは良かったです」
と、私は言いました。
「…まさか、奏さんがそれほど桃がお好きだとは思いませんでした」
「…は?」
と、奏さんはポカンとしていました。
どうしましたか。
「これまでで一番というくらいに、楽しかったのでしょう?」
「え?いや、それは…うん、そうだけど」
「奏さん、そんなに桃が好きだったのですね。それは初めて知りました」
「え、ちょ、ちが、そうじゃない。いや好きだけど。桃は好きだけど。でもそうじゃなくて、俺は瑠璃華さんと来られたから楽しかったってことが言いたいんであって、」
「あ、そうだ。それほど桃がお好きなら…。私は今日、帰ったら『猿でも分かる!桃』の本を入手しますので、読み終えたら奏さんにもお貸ししますね」
「…分かってない…。この子全ッ然分かってない…」
と。
奏さんは、遠い目で呟いたのでした。