タケノコ令嬢は今日もタケノコ掘りで忙しい
 そうか、大変だったな。と肩を叩いてくれる者、これからいい出会いがあるわよ。と手を握ってくれる者、うちの息子はどうだい。と紹介してくれる者。こんな温かい民たちに無事に迎え入れてもらえた。
 
 もしかして、あんな王都で暮らすよりも、自分はこういった田舎暮らしの方があっていたのかもしれない、とロッサナはしみじみと思った。

「ロッサナ」と名前を呼ばれたので振り返ってみたところ、そこには例のエドアルドがいた。

「はい、なんでしょう。エドアルドさん」

「エドでいい」

「はい?」

「だから、呼び名だ。長いからエドでいいと言っている」
< 6 / 54 >

この作品をシェア

pagetop