舞台の上で輝いて
うぅー、緊張する。
準備期間は3ヶ月。
今日、これから初めてのリハーサル。
今日に備えてちゃんと準備してきた。
きたけど、何も言われないけど…
大丈夫なの?舞台で主役を務められるの?結城さんの足を引っ張らない?という無言のプレッシャーをひしひしと感じると、どうにも身体が固まって上手く頭が回らない。
深呼吸深呼吸、スーハースーハーしてたら、結城さんに笑われた。
「そんなに緊張しなくて大丈夫だよ。」
「はい。」
(そんな事言われても、結城さんとこの距離にいるだけで大丈夫じゃないし)
なんて思うけど、これから一緒にパドドゥだって踊るんだから、早く慣れて集中しないと。

「じゃあ、2幕の愛のパドドゥの場面から合わせてみよう。」
「はい。お願いします。」

お願いしますとは言ったけど、身体が思う様に動かない。
まずい。
どうしよう…

あっ、ただのピルエットなのに、軸がぶれた。
ウエストを結城さんに触られていると思うと、意識がウエストにだけいっちゃう。
回転をサポートしてくれている結城さんに思いっきり体重をかけてしまった‼︎

「すみません」
「大丈夫だよ」
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