ゲーム友達
「早坂くん、楽しみすぎだよ…私、もうむり」
私はハァハァと肩で息をしながら訴えた。
「相手、あと2人だから頑張れ」
「えー…」
私はその場にしゃがみ込んだ。
こちらのコート内には3人しか残っていなくて、外野にいる生徒から注目を浴びているのは分かっているけれど、そんなことより私は体力の限界だった。
早坂くんは私に視線を合わせるように目の前にしゃがんだ。
「この試合に勝ったら、昨日言ってたやり残した事ちゃんとやれよ」
早坂くんは私にしか聞こえないようにそう言った。
「か、勝手に決めないでよ」
「やり残したままで良いなら、わざと当たればいいんじゃない?」
早坂くんはこういう意地悪なところがある。
追い詰めるような選択肢を提示してきて、私が困るのを楽しんでる気すらしてくる。